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2008年12月11日
奇跡のジャケット。その2
実はこのジャケット、着ている本人から売ってもらったものなんです。
そうお客様はおっしゃいました。
通常こういう商品は、中古屋さんにあるものを買うのですが、本人から買ったという稀有な経験をしているようです。
では、本人から買ったから、何とか直したいのか?
いえいえ、まだ話は続きます。
このお客様、フライトジャケットを探しに、中古屋さんに入っていったんだそうです。
すると、カウンターでは、お店の人と、アメリカの方がなにやら話している様子。
今まさに、フライトジャケットを売ろうとしていたところのようです。
しかし、ここから話が転がり始めます。
この外人さん、大事にしていたものなんでしょう、誰でも彼でも売りたいというわけではなかったようなんですね。
このジャケットを大事に着てくれる人に売って欲しい、そう願っていたようです。
といいましても、お店の人も困ってしまいます。
大事に着てくださいとは伝えられても、本当に大事に着てくれるのか、そこまでは分からない。
その話をお客様が横で聞いていると、外人さんが横にいるお客様に気づいたんですね。
ちょうどその時別のフライトジャケットを着ていたそうなんですが、とてもきれいに着ているのが一発で分かったらしく、この人に売りたい!と外人さんがいったそうなんです。
・・・・・・、かくして、このフライトジャケットは外人さんからお客様に渡ったのでした。
大事に着てください、という願いと一緒に・・・・・・・。
これ聞いて、ああそうですかなんていう人は少ないんじゃないですかね。
出来る限りのことをしたい、何とかして着れる様にしたい、素直にそう思いました。
そして、うちで受けるかどうかは別にして、今の修理屋さん事情を説明し、大事な品物ならちゃんとしたところにお願いしないと、直ってきても汚くなると教えます。
うちがお世話になっている修理屋さん、物凄く腕がいいんです。
何しろ、生粋の職人で、本職は修理屋さんではなく、洋服を仕立てる仕事をしているんですから。
下手なメーカーの正規品よりも、その職人さんが修理した方が縫い目もシルエットも断然きれいな上がりをしてくるんです。
ただ、状況が状況なだけに簡単にお受けできないのも事実。
一度修理屋さんに相談してみないと分かりません。
そこで、一度お預かりし、相談してから連絡をすることになりました。
帰り際に、どうしてうちへ寄ったんですか?と聞くと、たまたまだとおっしゃいます。
友達と遊んだ帰りに、クリーニング屋さんがやっていたので、聞いてみようと立ち寄ったんだといいます。
実はここにも不思議なものを感じています。
だって、当店は表が目立つようにしているわけでもなく、宣伝をしているわけでもない。
修理の看板も掲げていないし、普通に考えれば、もっと派手に大きくやっているお店に行きそうなもんです。
不思議な縁を感じてしまいます。
そして、週明け、修理屋さんに持っていき相談をしてみました。
投稿者 boribori : 2008年12月11日 23:21