« ゲーム。 | メイン | 職人がいなくなるかも? »
2008年04月16日
昔の話が聞けなくなります。
お年寄りとお話をするのが結構好きなんです。
年寄りに好かれるというのもあるのですが、おじいちゃんやおばあちゃんと普通に話すことができます。
お年寄りのお話には、昔の話や体験した貴重な話など満載です。
また、地元のマニアックな話、いきさつなど事細かく教えてくれるので、聞いていてとても楽しいんです。
実は日曜日に、その大切なおじいちゃんが一人亡くなりました。
うちの母の妹が嫁いだ先の舅さんなんですが、遠いようで実は近いお付き合いをしていたんです。
昔、うちの二件隣のセブンイレブンがあるところに家を持ってすんでいました。
大工さんをやっていて、腕も良くまた、子供をかわいがってくれました。
私も近いこともあり、暇さえあればよく遊びに行っていたんです。
住んでいた場所を売って、四谷の方へ引っ越したのですが、うちの母が髪の毛を切りに通っていたので、お付き合いは続いていたんです。
うちの母は元床屋さんですから、よくお年寄りの髪を切りに行ったり、産毛を剃りに行ったりするのですが、これまたお年寄りに好かれるんですね。
もともとが職人肌ですから、特に大工だったおじいちゃんとは相性が良かったのかもしれません。
おじいちゃんの家へ行くと、昔の話をよくしてもらったと母が言っていました。
戦争に実際に行っていた人ですから、いろいろな事を知っている。
本よりも事実を知っているわけですから、話には真実が隠されているわけです。
とても頭がよく、勉強を良くし、物凄い人だったんだそうです。
おじいちゃんの建てた家は、何年経っても寸分の狂いもないと評判で、それが最後まで周りで言われるほどの腕前だったようです。
具合が悪くなり、ご飯を食べられなくなり、入院していたんですが、日曜日に亡くなったんですね。
その最後の日に、おじいちゃんはいろいろな人に挨拶をしていたらしいんです。
うちの母が髪の毛を切りにたまたまその日行って、おじいちゃんとお話をしたんですね。
いつものように、いろいろな話をし、最後にありがとうって言われたんだとか。
そして、その後孫を呼び寄せて、話をしました。
そして、息子さんにも。
息子さんには今までありがとうございましたと、丁寧な挨拶をしたらしいです。
明治生まれの人ですから、まっすぐな人だったんでしょう。
誰かが店に残らなければならなかったので、私は先におじいちゃんに挨拶をしてきました。
故人を偲ぶとはよく言いますが、息子さんからおじいちゃんの人柄を聞き、おじいちゃんが話していた話のすごさを聞き、戦争を体験した資料も見せていただき、みんなの心におじいちゃんが生きているんだなと思います。
皆さん口をそろえて言うのは、いろいろな話をしてくれた人だった、あの話が聞けないと思うとさびしい、と言うことでした。
私が子供の頃に、戦争の話をいずれ聞かなくなる時代が来るかもしれない、なんていっていたのを覚えているんですが、当時あれだけのすごい歴史を聞かなくなる時代なんてくるのかな?なんて思っていたんですが、今となってみると、当時の体験者がなくなっていくと、自然とそうなるのかなあと思います。
なんかねえ、もったいないんですよね。
もっともっといろいろな人に話してもらいたかったと思うし、聞いて欲しかったと思うんです。
年寄りの話って、次の世代は聞くべきなんじゃないかなあと思うんですね。
亡くなったら、聞きたくてももう聞けないんですから。
貴重な体験を、逃しているような気がします。
子供たちとおじいちゃんおばあちゃん、もっといろいろ話させてあげましょう。
おじいちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
合掌。
投稿者 boribori : 2008年04月16日 23:56