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2008年04月24日
お客様の声。その2
これもお客様からのお話です。
先日府中の方へ配達へ行った時のこと。
やはりここでもクリーニングの話が出まして、どこのクリーニング屋さんがよかったと言う話になったんですね。
帝国ホテルのクリーニングは良かったとか、某高級クリーニングはすばらしかったとか。
そのときに、この辺では○○さんが評判良いよねという話になったんです。
このお店が良いと聞いたとき、ぴんと来るものがありました。
まだクリーニング業界では珍しい、特殊なドライクリーニングの機械を導入されているからなんです。
ドライクリーニングで使われている、ドライ溶剤と言うものには種類があるのですが、今まで使われていたものではなく、新しく開発されている溶剤があるのですが、その中の一つを使われています。
特徴としましては、肌触りが良くなるんです。
そういった特徴のある溶剤ですので、洗いあがった後の衣類は袖の通りなどが良くなります。
しかしデメリットも。
まだ導入店が少ないですから、模索しながらのクリーニングであるので、汚れ落ちがいまいちな面があります。
また、肌触りが良くなるのですが行き過ぎると腰がなくなり、てろんてろんとした衣類になってしまうんです。
評判が良いというのもうなづけるのが、やはり肌触りのよさからでしょう。
今の消費者の好みは柔らかく肌触りが良い物をいい品物と判断する傾向があります。
クリーニングのよしあしが分かりづらい現状で、肌触りが良いというのはそれだけでも十分価値があるのではないかなあと思うんですね。
しかし、この溶剤を使わないと肌触りがよくならないのかと言うとそういうわけでもないんですね。
石油系のドライクリーニングでも、洗剤に肌触りが良くなるものを混ぜているところがあります。
こういったものを使っているところでは、着ていて肌触りが良いかもしれません。
クリーニング屋さんが導入するのはまた別の理由からなんですけどね・・・。
詳しい説明はまた今度・・・。
新溶剤と呼ばれるものがいろいろ出てきていて、その中でも一長一短あり、業者からすると決めかねている部分がある中で、こうした消費者の意見はとても参考になります。
ある意味、今求められている物をはっきりと教えていただいたわけですから。
今後、汚れ落ちの面など改善されていくといいんですけどね。
まだもうちょっと先の話になるでしょうか。
この時期いろいろなお話を聞くことができるので、参考にさせていただいています。
投稿者 boribori : 2008年04月24日 23:35
コメント
ありがとうございます。以前、オール×のことや、説明すればするほど(上手く説明できないが故に)、うんちくになってしまうことなど。たくさんの衣類を受付ているこの時期「あ!こういうことか!」「そういえば、前にお話されてた!」と、よく、ブログのお話を思い出す日々です。いつも、とても、助かっています。ありがとう。
>衣類についている表示は、私たちプロ向けにつけているものではないんです。
消費者向けにつけられている。
衝撃的でした!
知れば知るほど、いろんな疑問も生まれ…、「どうして?」と思ったら、そのひとつはコストだったんですね。
う~ん、ご家庭洗剤を使って洗って頂くから…クリーニング屋に向けられてないってことかしら?でも、それでしたらドライの品物はクリーニング屋に向けて表示されていても…。不思議です。
投稿者 浅美 : 2008年04月25日 20:28
浅美さん、毎度です。
説明が薀蓄になってしまう、よくありますよね。
クリーニング屋さんもこの手の人、非常に多いです。
私も昔そうでした。
ただ、薀蓄になってしまう人は、勉強している人です。
それすらしていない業者さんが多いのも問題ですね。
勉強した知識や情報は、ベースとなるもの。
それらを踏まえてどうするか?説明してあげるようにすると良いと思います。
私たちなら、一言でその次を考えることが出来ます。
それが仕事だからです。
しかし、お客様は仕事ではないですから、全部説明してあげないといけません。
いわゆる、お客様の立場になって、と言うことですね。
自分たちが知っている知識や情報の生かし方も勉強すると良いと思います。
表示の問題ですが、コストはまた別の話です。
この話はあくまでも、数年前に仲間と話していたときのもので、今の表示方法よりも、ずっと情報量を増やすことが可能なものだったんです。
一度忘れてください。(笑)
表示がなぜ業者向けでないかといいますと、家庭用品品質表示法というものにしたがって作られているからなんです。
これは、消費者のために作られたもので、ゆえに表示も消費者のために作られています。
あくまでも、どのように扱えば良いか?と言う判断のためにつけられていますから、ドライ表示があっても、消費者がどう洗うか判断するためについているものなんです。
私たちプロは、その表示から、どうしてダメなのか?素材や装飾品、染など、もろもろを考慮し、出来るかどうか判断します。
時には、作りも想像しなければいけないときもあります。
この表示の欠点のひとつは、素材で判断しているところなんです。
つまり、素材で問題がないとクリーニングできると言う表示になってしまいます。
ところが、服って素材だけではありません。
裏地もありますし、接着芯もあります。
服を洗うということは素材を洗うということではないんですね。
本来なら、服として出来上がったものをテストすべきなのですが・・・。
テスト方法も、きちんとJISで定められています。
×の表示があっても、テスト方法から推察して、ぎりぎりの洗浄なら耐えられることもあります。
しかし、情報が少ないのに、プロに任せてなんていう表現は勘弁です。
投稿者 boribori : 2008年04月26日 01:19