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2008年02月28日
偽装は困ります。
いろいろなニュースが毎日ありますが、その中で私たちクリーニング屋さんに関係のあるニュースがひっそりと報道されていました。
食肉の偽装などが問題化していましたが、衣類にも偽装があるんです。
カシミヤ100%と表示しておきながら、実際はウールと合成繊維の混紡物・・・。
ちょっとひどい話だなあと思っています。
私たちはクリーニング師の試験で、繊維の鑑別と言うものを行います。
5種類の真っ白な繊維がありまして、どの繊維か当てると言うものです。
クリーニング師の資格を持っている人は、みんな一度は通る道です。
触った感触や繊維独特の特徴などから当てていくんです。
この試験をやっているので、ある程度触るとどんな繊維か分かるんです。
分かるからこそ、時折これ本物かな?と思ってしまう商品があるのも事実で、まがい物じゃないのかな?と思う衣類が何回かあります。
私たちは、繊維やデザイン、装飾品などを頭に入れた上で、汚れを落とす作業をします。
つまり、これらの情報がベースとしてまずあって、どこまで出来るか?いろいろと考えながら洗っているわけです。
ところが、このベースになる情報が間違っているとさあ大変。
カシミヤが本当はウールと合成繊維の混紡物だったとなると、汚れのつき方も違いますし、洗い方も変わってきます。
カシミヤだからと途中で作業をやめてしまい、本当ならもうちょっと力を加えられて汚れを落とすことが出来たのに、何て事があるかもしれません。
食品と違い、命にかかわるような事は無いにしろ、やはりきちんとした表示を心がけていただきたいと思います。
人間のやることですから、間違いでつけてしまったと言うような事はあるでしょう。
それは仕方がない部分があるにせよ、意図的につけるような事だけは決してしないでいただきたい。
だまされたお客様だけでなく、私たちクリーニング屋さんにまで影響が出てしまいます。
もうひとつ、偽装ではないのですが、困ってしまうものに、お客様の勘違いがあるんです。
シルクなのと言われてお預かりすると、ナイロンだったり、ポリエステルだったり。
これらはまだ近いものが在るので仕方がないかなと思いますが、中には綿やウールをシルクと言われて買ったと言うお客様もいらっしゃいます。
こちらが、正しい繊維をお教えすると、皆さんやはりちょっと不審に思うようなんですね。
正しいものをお伝えして良いのか、そのまま黙って処理したほうが良いのか、正直いつも悩みます。
でも、それでも意を決してお客様にお伝えするのは、着用の仕方やお手入れの方法が変わってしまうから。
長く使っていただくためには、やはり知っておいたほうが良いと思うんです。
お客様が信じているだけにね、心苦しいですが、お伝えするようにしています。
まさか、売っている方が間違ったことを教えていることは無いと思うんですが、どうなんでしょうか。
もし、そこからおかしいなら大問題です。
投稿者 boribori : 2008年02月28日 18:05