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2007年07月08日
クリーニング事故?不良品? 最終夜
皆さん、長い間お付き合いいただきましてありがとうございました。
さて、今回の話の結末です。
メーカーさんから電話をいただいてから数ヶ月の後、先日お客様が前を通られたんです。
いつもの様にご挨拶をし、いつものように世間話をしていると、そうそうと思い出したように話が始まりました。
『例のコート、結局全額返金と言う形になりました。』
全額返金と聞いて、正直言いますと、メーカーさんよく返したなあと思ったんです。
最初の電話の話のときに、製品の問題は認めたくなさそうだったのと、返金を提案したときにずいぶんと悩んでいたので、返金は難しいのかな?と思っていたんです。
しかも全額、でしょ。
お客様からお話を聞くと、同じ製品をもらってもまた同じように事故になるならいらない、そう思ったんだそうです。
代替品も、気に入ればいいんでしょうが、気に入ったものがあるかも分かりませんしね。
個人的に、落ち着くところへ落ちついたなと思います。
安い衣類が売られる中、高額な商品も多数売れています。
ファッション性が高く、素材も特殊なものがあり、扱いが難しいものも多数出ていますね。
売る側もこれからは変わって行かなければならないでしょう。
10万もするものが吊って売られていて、その説明は何もなし。
問題がなければそれでもいいのですが、扱いに癖がある商品までそのままでは、お客様が困ってしまいます。
また、アフターケアの勉強もした方が良いですね。
いまだに、洗ってはいけません、濡れたタオルで拭いてください、と言うメーカーさんが多いのですが、この日本の気候でそれでもつ衣類がどこにあるでしょうか?
高温になりつつあるし、雨が降ると土砂降りで湿度も高い。
そんな状態で着て、汗もかいているのに、タオルで拭くだけでは何の解決にもなりません。
現状の衣類はいいのか?もう一度検証する必要もあるでしょう。
柔らかさの追求の果て、洗うと変化がおきてしまうようではいけませんね。
場合によっては、柔らかさの追求を諦めなければならないかもしれません。
この問題は、私たちクリーニング業にも当然問題があるんです。
一緒になって解決していかなければなりません。
そして、いい物を作っても売れないと言う話。
これもある意味現実なのでしょうが、それに負けてもらっても困ります。
確かにね、安いと言うのは購買意欲を最も掻き立てるといえるでしょう。
また、高額な商品は、どんなにいい商品でも売れるようになるまで時間がかかってしまいます。
中には、最後まで売れない事もあります。
安く作る事はお客様の利益につながりますが、何でも安ければ良いと消費者は言ってないはず。
きちんとつくり、耐久性もあり、メンテナンスもしっかり出来る、そういう商品をなるべく安く買いたい、そういっているのではないでしょうか。
消費者は専門家ではありません。
だからこそ、その道のプロが作るものはしっかりとしてもらいたい、そう思うと思うんですね。
プロとして。
私たちクリーニング屋さんにももちろん言える事なんですが、越えちゃいけない一線はあると思います。
このメーカーさん、次はいい商品作ってくれるかな?
期待しましょうね。
投稿者 boribori : 2007年07月08日 23:31