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2007年07月04日
クリーニング事故?不良品? 第三夜
配達から帰ってきたばかりなので、とりあえず車を駐車場に止めにいき、帰ってきてすぐにメーカーさんへ電話を入れます。
担当者の名前も控えてあったので、割とスムーズにつながりました。
相手が電話口に出ると、いささか緊張した様子。
すぐさま違う人間が電話をかけてきたので、警戒したのかな?と思いました。
とりあえず、今回の事情を一から説明していただきます。
合成皮革のついたコートの合成皮革の部分がぱらぱらとはがれてきているということ。
買ってまもなく、クリーニングしてしばらく来ているうちに気づいたとの事。
製品は製造されてから1年しかたっていない。
担当の方も、母から説明を受けているので、同じ質問はしてきません。
こちらもそれは分かっているので、単刀直入にこういいました。
『それ、ポリウレタンの劣化でしょ?』
ポリウレタンの劣化、ここ数年でよく耳にする言葉ではないでしょうか。
ポリウレタンは、繊維の中でもちょっと特殊なもので、繊維が製造されてから、3年から5年ほどで劣化が起きてしまうんです。
これは、着用していなくても関係なく起こります。
すると、担当の方がこう切り替えしてきました。
『合成皮革としか書かれていませんから、クリーニングの間違いでこうなったんじゃないかと・・・。』
合成皮革にも種類がありまして、どの繊維で作られているかによって扱いが変わってくるんです。
ポリウレタン以外に、塩化ビニルという素材で作られることもあります。
これは、俗に言う塩ビ。
水道管のパイプを思い出していただくと分かりやすいですね。
あれを、特殊な薬品で柔らかくし、繊維として使用します。
この塩化ビニル、そもそもドライクリーニングが出来ないんです。
ドライクリーニングをしてしまうと、柔らかくしていた薬品が抜け出してしまい、元の硬いパイプに戻ってしまいます。
ぱらぱら、なんて物じゃなくてバリバリ。
先にも説明したとおり、当店のドライクリーニングの設備は石油系しかありませんから、そもそもパークロルエチレンでのクリーニングは出来ません。
もし、塩ビで出来た合成皮革だったとするならば、ドライクリーニングOK、石油系に限る、といった表示自体、間違いということになります。
私はこの手の話をするときに、責任は誰にあるのか?ということよりも、まずどうしてこうなったのか?ということを解明しようとします。
お互い、原因が分かれば、その後の対応は自ずと見えてくるからです。
素材とクリーニングの関係を説明し、ポリウレタンの劣化と考えるのが普通だと思うけど?と再度話をします。
すると、こういうんですね。
『でも、この服は製造されてから1年しかたっていないんです。劣化には早すぎます。』
確かに私、先ほど書きました。
ポリウレタンの劣化は3年から5年で起こる、と。
では、ポリウレタンの劣化ではないのか?
ここで、メーカーさんは大きな勘違いをされているんです。
それは、服の製造と繊維の製造は違う、という事。
確かにコートは一年以内に製造されたかもしれない。
でも、その服に縫い付けられている合成皮革も同じ時期に作られているというわけではないんです。
アクセントでつけられているものほど、大量に生産されていてストックされています。
3年前に製造されているものが混ざる可能性はかなりあるんですね。
喧嘩をするわけじゃないので、丁寧にその説明をしまして、納得していただきました。
メーカーさんもね、本当はちゃんと分かっているんです。
でも、クリーニングをした後、と言うとどうしてもクリーニング自体を疑いたくなるんですね。
この電話、実はこのままで終わりませんでした。
さらに、いろいろな話に移っていくんです。
と言うことで、さらに続きます。
投稿者 boribori : 2007年07月04日 00:19