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2007年05月14日

便利な薬品もあるけれど。

私たちクリーニング屋さんでは、色々な薬品を扱っています。

染み抜き剤も種類が豊富。

油を落とすものや水溶性の汚れを落とすもの、漂白剤も種類がいくつもあります。
他にも、撥水剤もありますよね。
色を良くするようなものもあるんです。

中にはカシミヤのような風合いを作る薬品もあります。
この薬品は、ウール製品でも、まるでカシミヤのようや風合いが出るから驚き。
クリーニング屋さんの中には、カシミヤを洗った後にこの加工をする所があるようですね。

しかし、この加工が必要かどうかと言うと私はちょっと疑問。
と言うのも、確かに柔らかくなるのですが、カシミヤ本来のものとはちょっと違うからなんです。

ちょっと濡れたような感触で、表面だけが柔らかくなります。
一見、カシミヤのような感じなんですが、ちょっと違う。

クリーニング屋さんの中では、カシミヤ製品を洗うと硬くなって柔らかい風合いが消えると思っている業者さんがいまして、この柔らかくなる加工剤を使って柔らかくしている人もいます。

加工剤を使えば確かに簡単なんですが、それは本来のものとは違うんですよね。
一度硬くなったカシミヤ製品に、加工剤を使っても表面は柔らかいのですが、芯が硬い不思議なカシミヤが出来上がってしまいます。
加工剤が落ちればまた元に戻りますし。

薬品類は、とても便利で使い方によっては絶大な効果をもたらすと思います。
カシミヤの風合いを出す薬品も使い方次第です。
長年着ていて、油が抜けてきたかな?と言う時に少し使うと言うのは有効だと思いますが、まだ買って間もない製品でには、加工剤で柔らかくするよりも、カシミヤ本来の風合いを維持するようにしてあげた方がいいと思うんですね。

薬品は本当に便利、でも、頼りすぎは衣類の持ち味を損ねかねません。

基本は衣類なんです。
洗剤も加工剤もそれらは本来のものに近づける為に使うものであって、加工剤が主になってはならないと思います。

投稿者 boribori : 2007年05月14日 23:49

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