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2007年01月11日
洗い直し
お客様とメールを交わしていた時のことです。
お預かりしている品物の中で洗い直しをしているものがあるかもしれません、と言う話をメールに書いたのですが、返信の中に、洗い直しと言う言葉を聞くのは一伸さんだけだわぁ~、と言うお話がありました。
手間と時間をかけて頂いて本当に嬉しいんです、なんて言葉も頂いちゃいました。
私たちも素直に嬉しいです。(^.^)
当店では普通に行っている洗い直し。
普通にやっている事なので、お客様にも普通にお伝えしているのですが、お伝えするとびっくりする方が結構いらっしゃるんですね。
これは、他の店ではやってないと言う事なんでしょう。
大抵、よそのお店では洗い直しをしないで、一度お客様に返します。
そこで、もう一度やってみますか?とお尋ねし、再度クリーニング料金をいただくと言う形になっているのではないでしょうか。
各々のお店で、クリーニングの仕事というものの考え方が違うと言う事もあるんでしょう。
1回洗ったらクリーニングは終わり、と言うところもあるのも事実です。
以前、地方の友達にチラシを見せて頂いた事があるのですが、その中にこういう一文があって不思議に思った事があったんです。
シミが落ちるまで何度でも洗い直します。
最初、そんなの当たり前じゃない?と思い、不思議で不思議で仕方が無かったんですね。
でも、色々なクリーニング屋さんと出会ううちに、不思議な話ではなくて、何度も洗い直しをする方が少ないんだなあと分って来ました。
さらに、どれをもって綺麗とするか?と言うのも働いている人の感覚なので洗い直しをしていると言うお店でもずいぶんと差があるんですよね。
実際、お店に見学に行って、このまま納品するの?と驚いてしまった事も何回かあります。
しかし、そのお店では洗い直しをしているしきちんとした仕事をしていると言うんですよね。
これは仕事はちゃんとしていると思いますが、綺麗になったかどうかの判断力の差なんだと思います。
これ以上は無理だろう、と言う判断なんでしょう。
そのときの私の見立てでは、もう1回洗えばもっと綺麗になると判断しました。
単純に洗いなおすと言いましても、簡単な話ではないんですね。
汚れきっているもので、素材が丈夫なものならガチャガチャ回せますが、デリケートな衣類などは洗い直しをするたびに非常に気を使っています。
一回目と同じように洗ってしまってはいけないものが沢山あるんです。
洗いの直すためには、一点一点記憶に入れておいて、状況を判断しながら洗い方を選択していく必要があります。
みなさんも経験があると思いますが、洗いなおしますか?と言われて洗いなおしても全然変わってないという経験があるはず。
何も考えずに、ただ同じように洗っていては綺麗にならないと言った事例の一つですね。
クリーニングって、職人の技術が必要なわりには、頭をかなり使う仕事だと思います。
考える事が出来ない人は、綺麗にするのは難しいかもしれませんね。
毎日いつでもクリーニングを考えている人が綺麗にすることが出来ると思います。
だからうちの母は甘いものを取るんでしょうか。
集中できなくなると、甘いものがほしくなるようです。
投稿者 boribori : 2007年01月11日 23:56