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2006年10月18日

ビクーニャ

カシミヤクリーニング.COMへのお問い合わせです。

ビクーニャ、洗えますか?
と、聞かれました。

ビクーニャ・・・・・、し、知らない。
何軒もクリーニング屋さんに問い合わせをしたそうですが、ビクーニャをみんな知らなかったようで、お客様も困っていました。
聞くと、このビクーニャで出来たマフラーが、なんと120万もしたんだそうで、大切なものなのできちんと扱ってもらえるお店を探しているんだとか。

繊維の特徴、値段を聞いていると、ふとある繊維を思い出します。
その繊維の名前は、ビキューナ。
毛の繊維の中では飛び切り高級品で、元から取れる量が少なかったのですが、乱獲により更に減少、ここ数年になって輸入が再開された素材です。
ビキューナのコートですと、300万から500万ほどします。

カシミヤより細く、柔らかい繊維です。

そこでお客様に聞いてみました。

ビキューナじゃないですか?
そこではじめて分ったのですが、ビクーニャとは、ビキューナの正しい発音なのだそうです。
Vicuna とかくのですが、向こうの発音に限なく近いのがビクーニャ、なんだそうです。

ここで謎が解けました。
どうしてクリーニング屋さんでみんな知らなかったのか?

クリーニング屋さんにも素材に関する本や資料がたくさんあります。
その中では、ビキューナと載っているんですね。
ビキューナは先ほど書きましたが、とても希少価値が高く、高級品です。
知らない業者さんはいないででしょう。
しかし、ビクーニャという正式な発音は知りません。
そこで、分らない、といったことになってしまったんでしょうね。

電話を切った後に、友達の所へ数件連絡をとってみましたが、案の定ビクーニャでは誰も分からず。
ビキューナなら知ってるよ、と言う人がいましたが、同じ繊維だとは思いません。

まだ、素材表示の方でも、表示が分かれているようで、気をつけないといけない商品ですね。
知らずに洗ったらとんでもない事になってしまいます。

このビクーニャ、クリーニング屋さんでも扱ったことがある人はそんなにいないと思います。
それだけ希少。
ある意味、芸能人の衣類を扱うより少ないかもしれません。

今回のように、発音の違いで表示が違ったり、繊維の名前ではなく商標名で載っていたりと、私たちが知らない表示って結構あります。
その都度、いろいろな手段を使って調べています。
だって、繊維を知らなければ扱えませんからね。
ビクーニャ・ビキューナもその違いを調べて、お店の中で確認。
こんな違いがあるんだと言う事をみんなに伝えました。

ここからが当店の面白い所で、まだ預かると言う事が決まったわけではないのですが、こんな希少な繊維の話がせっかく出たので、休憩中にみんなでどうやって洗って仕上げるか?シュミレーションをしていました。
繊維の特徴をお互い共有し、その中でどの様に扱えばいいか?意見を出し合って話し合います。

こんな風に普段からみんなで考える事で、いいアイデアが浮かび綺麗に洗う事が出来るんですね。
思いつきではいい仕事は出来ません。

せっかくこういうお問い合わせが着たんですから、生かさないとね。
ビクーニャ、みなさんも見てみたいですよね。

投稿者 boribori : 2006年10月18日 23:36

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