2006年09月13日
汗染みじゃないんです。
クリーニングの仕事をしていると、色々な服に出会います。
素材が珍しかったり、形が珍しかったり・・・。
今日、一枚のTシャツが持ち込まれました。
色は赤。
最初、このシャツを見てビックリしたんです。
なんと、赤い色の上に真っ白な塩が吹き出ているんです。
それも、襟元からほぼ全体に。
どうしたら、ここまで塩を吹くんだろう?と思って詳しく見ていると、どうも変なんですね。
普通、これだけ汗がついていたら臭いがします。
しかし、全く臭いがしない。
それに、塩がついていればもうちょっと生地が硬くなるはず。
それもない。
どうやらこれは汗染みではないようです。
素材表示の所を見てみると、外国製で記述がありません。
仕方がないので更に観察。
全体的についているのを見るとやはり意図的につけられているようです。
これは落としてはいけない、そう思いました。
お客様とお話しをして、説明をするとこうおっしゃいます。
『他のクリーニング屋さんに持っていったら、絶対気付かないで落としちゃうと思う。
ここなら、どういう商品か分って扱ってくれるから、ここへ持ってくるのよ。』
この信頼を裏切らないようにしないといけません。
今回のように、一見汚れのようなしみのようなデザインは結構あります。
また、しわ加工などは気付いていないとアイロンで伸ばしてしまうなんて事も。
クリーニングの仕事は、綺麗にすることだけではなく、そのデザインや素材の持ち味をなるべくそのまま生かすようにしなければいけません。
ここが非常に難しい。
綺麗にすることと、デザインや素材の風合いを維持する事、これらを両立させるのはとてもデリケートな作業になります。
毎日頭を悩ませます。
でも、綺麗に風合い良く仕上がって、お客様に喜んで頂ければ、それが一番嬉しいんです。
クリーニング屋さんなら、この気持ち分りますよね?
クリーニング屋をやっていて嬉しいと思う瞬間でしょう。
色々な商品が毎日やってくる、大変でもありますが、楽しみもあります。
投稿者 boribori : 2006年09月13日 23:58