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2006年03月23日
疲れる服
コメントをいただきまして、それを活かした内容にしてみたいと思います。
仕立ての悪い服は疲れる、と言うお話。
毎日着ている人だからこそ敏感に分る内容です。
仕立ての悪い服、たくさんありますね。
一言に仕立てが悪いと言ってもいくつもありますよね。
縫い方の問題、生地の問題などなど。
疲れにくい服と言うのは、体に合った服なんですね。
きつくなく、ゆるくもなく。
そして、体の曲がる部分は曲がって作られているととても着易くなります。
いわゆる、立体的な縫製、と呼ばれているものです。
昔は、服を作る時に、仮縫いと言いまして、一度着て体に合わせて詰めたり出したりしたものです。
そうして作られた服は体にフィットするので長持ちするし、着ていて疲れないんです。
もちろん、今はなかなかこういった服は作る事が出来ません。
仕立てる業者さんが少ないですし、高価になってしまいます。
中には、良心的な値段で作ってくれるところもあるのですが、なかなか見つける事が出来ません。
既製品の中に、自分の体にあったデザインをしている所があったりするのですが、そういうメーカーはぜひ抑えておいた方がいいでしょう。
もう一つ、生地の問題で着づらくなることがあります。
これは安い品物に多く見られるのですが、生地自体がきちんと作られていないために、着ている内に撚れてしまうんです。
糸は縮んだり拠れたりする傾向があります。
服にしてしまってそんな現象が起きたら困るので、生地にしてから、地のしと言いましてお湯をかけたりして強制的に縮ませて撚れさせるんです。
縮みや撚れは最初が一番変化が大きいので、強制的にそれらを起こして、変化を少なくするようにするんです。
この、地のしという作業が悪いと、着ている内に、洗っているうちに、形態変化を起こして着辛い服になっていきます。
このような生地はアイロンがけもめちゃくちゃ大変です。
洗えば、ぐちゃぐちゃになってしまうので、それを伸ばすだけでも一苦労。
更にシャツの形に整形するのも、ずれてしまっているので、なかなか綺麗にあってくれないんですね。
確かに買う時はお値段が高いと思います。
しかし、毎日着るシャツ、毎日着るスーツなどですと、あまり悪いものを着ていると、疲れがたまってしまいます。
なるべく長く着ていただいて、ご主人にも協力をしていただいて、ちょっといいものを買ってあげると体にいいと思います。
そういえば、うちのお客様の中に、自分にあった仕立ての服を着ている人がいるのですが、その人がこんな事を言っていました。
『この服は他の服と全然違うんだよ。この服はまるで着ていないかのように軽いんだ。背中に羽が生えているんじゃないかって言うくらい。』
名言です。m(__)m
そして、やっぱり他の人よりもハードに着ているのに、他の人よりも長持ちしているんです。
面白いもんですよね。
投稿者 boribori : 2006年03月23日 18:05
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