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2005年09月22日

防水加工と撥水加工の違い

台風の影響でしょうか、それとも秋雨の時期なんでしょうか、雨が降りやすいようです。
週末台風が近づいているって言うのが一番の原因かも。
また今年も多いんですかね、台風。

雨が降ると言って、クリーニングに関係しているものといえば、撥水加工と防水加工。
この二つ、一見同じように見えるんですが実はまったく違う加工です。

この違いを理解しておくと、日常の生活に少しは役に立つかもしれません。

まず、防水加工。
これはその名の通り、水を防ぎます・・・・・、完璧に。
後からの加工ではなく、ゴム引きなどを使い完全に水を遮断します。
水を通さない代わりに湿気も通しませんので、蒸れるのが難点です。
カッパなどがそうですね。
これはクリーニングではできません。

この防水加工の中に、ひとつ特殊なものがあります。
それは、以前ココでも書きましたが、透湿防水布、商品名で言うとゴアテックスです。
この衣類は、とても面白く、水の分子と湿気の分子の違いに目をつけて作られています。
水の分子と湿気の分子とでは大きさが違います。
当然水の分子の方が大きいわけです。
衣類は織って作られていますので、拡大すると隙間があります。
その隙間を、水が通らない大きさにして、湿気は通れるくらいの微妙な穴にするわけです。

原理的には雨に濡れないで蒸れない商品、なのですが、現実は蒸れてしまいます。

また、表面にも撥水加工を施していますので、完全なる防水と言うわけにも行かないようですね。
でも、完成度は高いですよ。

そして、次に撥水加工。
これはちょっと分りづらいので、よく読んでみてくださいね。

撥水加工とは、読んで字のごとく、水をはじく加工です。
水ははじきますが、防水とは違い濡れないわけじゃないんですね。

撥水加工には問題点があります。
それは、雨の粒が大きければはじきますが、小さくなるとすぐ濡れてしまうんです。
なので、霧雨は苦手です。

以前、イトーヨーカドーで撥水加工を施したコートが売られていたんですが、撥水性をアピールするためにコートの横に霧吹きが置かれていたんですね。
撥水加工は霧に弱いので、これをかけると濡れてしまいます。

私もやりましたけど、案の定濡れる。(笑)

周りのお客様はそれを見て笑って行ってしまいました・・・。
店員さんにすぐにこれじゃダメですよ、というと、分ってるんですが霧吹き以外なかったんです・・・だって。
店員さんも苦労しているんですね。(^_^;)

次に、私は濡れるとかきましたが、これもすぐ濡れるわけではないんです。
霧雨はすぐ浸透してしまいますが、大粒の雨はしばらく生地の上で大きい水玉になってぶらぶらしています。
これはよくテレビでも見たことがあるでしょう。
撥水性をアピールするにはもってこいの映像ですから。

しかし!ですね、このぶらぶらの状態をもうしばらく続けていると、突然!生地に染み込んでいくんです。

その時間、加工剤の種類にもよるんですが、30秒から45秒くらい・・・。

つまりですね、大粒の雨でも一旦はじくんですがそのままにしておくと、染み込んでしまうんですよ。
ココが防水加工との最大の違い。

防水は、水をつけたままにしていても濡れません。
撥水は、水をつけたままにしておくと濡れてしまいます。

テレビのCMなんかでも撥水性をアピールするために、濡れたコートを、ぱっ!と翻して水滴を飛ばしますよね?
あれはより強い撥水性をアピールするためと、そのままにしておくと濡れちゃうからなんですよ。
上手くできてます。(笑)

日常生活でも、雨が降ってきて撥水加工をしていれば、一旦は水をはじきます。
ココで安心してはダメ!
人のいない所、迷惑のかからない所で、水玉を払い落としましょう。
そうすれば、濡れないで済みます。

最近は、撥水加工も自分で出来るようになりました。
スプレータイプの撥水加工剤が売られているからです。
ちょっと前までは、吸引すると危険なので、屋内でしないでくださいと注意書きがありました。
私たちプロも一緒で、屋内で作業をしていて呼吸困難で救急車で運ばれた人もいます。

最近のものはココまで危険なものは無いらしいですが、使う時はよく注意書きを読んで、換気しながら使ってくださいね。

クリーニングに関係するものは結構危ない薬品が多いですから・・・。
ホント、気をつけてくださいね・・・。

投稿者 boribori : 2005年09月22日 23:36

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