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2005年06月04日

柔らかく仕上げるために

当店は、カシミヤクリーニング.COMと言う、カシミヤ・アンゴラなどの獣毛品の専門店を開いています。
カシミヤ製品は他のクリーニング屋さんよりも多く集まっているんではないでしょうか。

ある日、集配にお伺いした時に、お客様からよそのクリーニング屋さんで洗ってもらったらカシミヤのセーターが硬くなったと言われました。

聞いて見ると、そのクリーニング屋さんは全国でも有名なクリーニング屋さんです。
カシミヤのクリーニングは結構業者間で差がありまして、綺麗に仕上げている所、風合いを損ねさせてしまう所など様々です。
このクリーニング屋さんは結構気を使ってクリーニングをしていると聞いていましたので、まさか?という思いがありました。

お客様に問題のセーターを見せて頂くと、ん、ん、ん???言うほど硬くない・・・。
一応お尋ねしたんですが、最初に比べると硬くなったとおっしゃいます。
更にお話しを聞いてみると、親戚の方に編んでもらった手編みのカシミヤのセーターと言うではありませんか。
なるほど、そういう事かとこちらも納得です。

手編みの独特な柔らかい肌触りがあったんでしょう。
クリーニングは許容の範囲内だと思いますが、自然な柔らかさを肌で覚えているお客様にとっては、違和感を感じたんだと思います。

この商品をもし当店で洗うならどうするか?考えてみました。

最初に手編みの話を聞いていなければ、有名クリーニング店と同じような範囲で仕事をしていたかもしれません。
手編みの風合いを残す事を考えて仕事をすると、全然違ったクリーニングになります。
ソフトなクリーニングはもちろん、乾燥機にもかけないで、じっくりと乾かします。
そして、繊維がふわっとするようにじんわりと蒸気を当てて・・・。
強すぎず弱すぎず・・・。

良い勉強をさせて頂きました。
改めて、衣類を良く見て肌で感じる事の重要性を教えて頂きました。
よく見れば、このセーターの柔らかさに気付いて手編み独特の風合いに気付く事が出来るはずです。
完全に新品のようにはもちろんなりませんが、なるべくなら近い状態でクリーニングしたい。

本当に日々勉強ですね。
こうして一歩一歩進んでいけるんだと思います。

喜んでもらうために、まだまだ頑張らないといけませんね。


投稿者 boribori : 2005年06月04日 23:19

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