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2005年01月12日

血液のシミ

今日はお電話をいただきまして、お客様の所へ行って参りました。

『他店でクリーニングしてもらったのですが、しみが落ちてない』というご依頼です。
拝見すると、確かに薄い赤い色でまあるくシミが残っています。

お話を伺うと、血液のシミと言われました。
血液のシミは、最初のクリーニングで落としきらないと正直厳しいんです。
理由は、熱がかかると固まってしまうからで、落ちなくなってしまいます。
今回の品物は、他店でクリーニングして、落ちきらないうちに乾燥してしまったので、残った血液のシミが固着していると思われます。

もしかするとシミ抜きもしていないかも?知れませんね。
シミの残り方がちょっと不自然です。
血液のシミを抜く時は酵素を使うんですが、きちんと資格をもって研究している方がいるなら出来ると思いますが、パートさんやバイトさんが仕事のほとんどをしているような所では正直血液のシミは厳しいです。

クリーニング業界の傾向として、低価格で受けるために仕事はパートさんやバイトを使う事で原価を切り詰めているようです。
製造業などの規格品を扱う仕事なら、それでも稼動するかもしれませんが、クリーニングのように品物はみんなバラバラでシミの種類も様々ですと、かなり高度な技術や知識が要求されます。
パートさんやバイトさんでも、長い実務経験で高度な技術を習得している方も中にはいらっしゃいますが、ほとんどの方は無いのが現状です。

ここのブログにも書きましたが、服を綺麗にするのは本当に難しいんです。
生地の強度や染色の強度、装飾品やボタンの洗浄適正など、クリーニングするためにはクリアーしなければいけない問題が多くあります。
衣類についている品質表示には書いてない様々な問題点を見つけ出し、適正なクリーニングをする。
それが非常に難しいんですね。

シミは落ちたけど、穴があいたなんて困りますよね。
そうならないために、日々研究をしていくんです。

ただ機械に入れて洗っていたり、何にも考えないでプレス機をがちゃんがちゃん押しているような所ではやはり綺麗にはなりません。

皆さんの大事な衣類です。
クリーニングも服を選ぶときと同じくらい、慎重に探してみてくださいね。

今回のご依頼は、残念ながらお受けできませんでした。
本当にすいません。
現在は熱で固着された血を抜く手段は無いですが、また研究を重ねていっていつか落とす事ができる様に日々精進していきます。


投稿者 boribori : 2005年01月12日 23:04

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